結婚式は、一生に一度の大切なイベントです。
おふたりの大切なゲストを1つの会場に招待して、感謝を伝え、そして改めて2人のスタートを報告する替えの効かないものです。

そんな大切な結婚式だからこそ、その日は最高に幸せな時でなければいけませんよね?
ですが、悲しいことに、全てのカップルが結婚式で幸せな思い出を残せているわけではありません。
それは、どうしてでしょうか?
知らないかもしれませんが、結婚式ではたくさんのトラブルがいつも起こっているからです。
そこで今回は、これまでに結婚式で起こったトラブルの内容と原因、そしてトラブルに巻き込まれないための具体的な対策について紹介していきます。
多くの結婚式で起こるトラブルは、未然に防ぐことができますから、最後までしっかりと読んで対策しておきましょう。
実際にあった結婚式でのトラブル
ここ数年、結婚式でのトラブルについて、テレビでもよく報道されています。
大きなところでは、2018年9月の大手旅行代理店H.I.Sのハワイ結婚式キャンセル問題、2019年6月にはメルパルク仙台でのトラブルがあります。
2019年1月に放送された、テレビ東京の情報番組「ワールドビジネスサテライト」では、『結婚式を巡りトラブル続出!』と題して特集が組まれていました。

テレビで放送されるってことは、トラブルが多いってことなんですかね?
大小色々とありますが、実は結婚式にはトラブルが多いです。
ただ、「お祝いの席だから…」ということで、新郎新婦の2人が我慢をしていることが多くて、ほとんど表に出てこないのです。
では、結婚式のトラブルにはどんなものがあったのか。
全ては書ききれないので、いくつかピックアップして紹介しましょう。
契約した時の見積もりと請求金額で200万円の違いが!
トラブルで一番多いのは、結婚式のお金にまつわるです。
特に、最初の契約の見積もりと、支払いの時で大きく金額が違ったことで起こるトラブルは非常に多いです。
この件は、先ほど紹介したワールドビジネスサテライトでも伝えられていて、インタビューを受けていた方は200万円を超える差が出たとのことでした。

200万円って…
そんなにオーバーしたら払えないですよ…
しかし、この金額アップはウェディング業界では常識で、『ゼクシィ結婚トレンド調査2018』のアンケート調査では、金額差が平均102万円もあったようです。
最初から意識しておかないと、支払いの時に払えないということにもなりますので、気をつけないといけません。
イメージしていたメイクと全然違う!
結婚式では、必ずプロの美容師が女性のヘアメイクを担当します。
そして、内容は事前にしっかりと打ち合わせをして当日を迎えますので、急な発注というわけではありません。
ですが、打ち合わせをしたにも関わらず、当日仕上がりをチェックするとイメージと全く違っていて、直す時間もないので納得いかないまま結婚式をすることに。
結婚式では写真や映像を撮ることが多いので、希望と全然違うヘアメイクで写真を撮られるのは悲しいことですよね。
まだ結婚式場が完成していない!?
これは2018年に実際に起こったあり得ないトラブルです。
結婚式の1ヶ月前になって、ハワイの会場がまだ完成していないために、結婚式ができない!という事態が起こりました。

これは旅行代理店H.I.Sが起こしたトラブルで、なんと新郎新婦260組が被害にあい、テレビでもかなり報道されました。
せっかくハワイの、それも新しい会場で結婚式をする予定だったのに、1ヶ月前にキャンセルをお願いされるなんてあり得ない話です。
旅行代理店H.I.Sは、旅行・挙式代金の返金とお見舞金20万円を新郎新婦の皆さんに保障したそう。
とはいえ、時期的にすでにゲストには招待状を出している方がいたはずですから、被害者は相当ツライ気持ちだったはずです。
結婚式のトラブルで一番多い見積もりの金額アップ
結婚式のトラブル事例で、見積もりが契約と支払いで大きく違っていた例を紹介しました。
実は、結婚式のトラブルの中で一番多いのが、この見積もりの金額アップに関することです。
ゼクシィの2018年の調べでは、見積もりが上がったと答えた新郎新婦の割合は77.8%とされています。
ただ、どうして契約した後に金額がアップするのか、その辺りが気になりますよね?
ということで、金額アップに繋がる2つの理由をご紹介しておきましょう。
各アイテムのランクアップ
まず一番は、アイテムそれぞれのランクアップが原因です。
いくつかのアイテムにはランクがあり、そのアイテムを新郎新婦が選んだことで金額がアップしています。

例えばどんなアイテムがそうなんですか?
- 料理
- 飲料
- 装花
- 衣装
- 引出物・引菓子
これらは必ずランクが設定されているので、打ち合わせをする際には気をつけないといけません。
必要最低限のものしか含まれていない
結婚式場の見学では、見積もりが必ずつきものです。
ですが、その見積もりには必要なもの全ては載っておらず、基本的には最低限のものしか含まれていません。
もちろん、それだけでも結婚式はできる内容にはなっていますが、それが2人の希望にマッチしているかは別物です。
細かなところは、今後の打ち合わせで追加していくので、最初の段階では最低限しか入れられない!というのが担当プランナーの気持ちなのです。
結婚式場メルパルク仙台とのトラブル事例
2019年6月、Twitter上で拡散し炎上し、有名な結婚式場とのトラブルがあります。
その式場は、宮城県にあるメルパルク仙台というホテルで、これは日本テレビ系列で放送されている朝の情報番組「スッキリ」でも取り上げられました。
どのようなトラブルだったのか、その内容を一部取り上げます。
- 見積もりに10万円で装花が入っているが、「花屋が逃げた」という理由で用意されなかった
- 招待状のデザインがお願いしたものと違った
- 見積もりで新郎新婦の名前の漢字が毎回違った
- 自分たちで会場の装飾ができる話だったが、2週間前に「できない」と言われた
- 1日1組と言われたのに2組入っていた
- 新婦の着付けを30分早めるように急かされた
- 別の組と更衣室の利用が重なり、プランナー隠れるように言われた
- 駐車場料金は出ないはずが、料金を払ったゲストがいた

これはひどいですね…
この後2人はどうしたんですか?
担当のウェディングプランナーと話し合いの場を設けたそうですが、当日はプランナーは私用で休暇中だったそう。
これではどうしようもない!ということで、2人は弁護士を立てて話し合う準備をしています。
メルパルク仙台はこの流れを受けて、サイト上でお詫びを発表する対応をとりました。
結婚式でトラブルが起きる原因
あり得ないことですが、結婚式にはたくさんのトラブルが潜んでいます。
そしてそんなトラブルは、あなたの結婚式でも起こることが十分可能性がありまして、逃れることはなかなかできません。
ですが、どうしてトラブルが起こってしまうのでしょうか?
その原因がわかれば事前に対策できるかもしれませんので、その理由を3つ解説していきましょう。
初めての経験で何もわからない新郎新婦
1つ目の原因は、結婚式を挙げる新郎新婦の2人が、まったくの素人ということです。

正直、これが1番にして最大の原因と言えるかもしれません。
当然、カップルの皆さんは、会場の見学や結婚式場との契約、結婚式の打ち合わせは全て初めての経験です。
2人が持っている知識は、結婚情報誌やWEBサイト、友人から話を聞いた程度のもので、経験して手に入れたものではありません。
その中でも情報誌やWEBサイトからの情報が割合多いのですが、情報誌やWEBサイトには表面的なことしか書いてないので、浅い知識・情報しか掲載されていません。
たったそれだけの武器しか持っていないのですから、トラブルに合う確率も当然高くなって当たり前ですよね?
新郎新婦の相談役がウェディングプランナーたった1人
2つ目の原因は、新郎新婦が相談する相手が1人のウェディングプランナーだけという点です。
これは1つ目の原因とも少し関係してきます。
新郎新婦はまったくの素人、対するウェディングプランナーは、2人から見ればプロ中のプロ。
そんなプロの言葉ですから、プランナーが言うことが全て正しいんだ!と2人は思ってしまいがちなのです。
ですが、プランナーはかなりずる賢いもので、新郎新婦が何も知らないことをわかった上で、色々とトークを繰り広げています。
「お二人のためにこの見積もりは過去最高にお得にしました!」と言われたら、ただの営業トークなのに、結構あっさり信じてしまうものなのです。
また、打ち合わせについても、プランナーが1人で担当するケースが多いです。

演出や料理、その発注に至るまですべてがプランナー1人ですから、何か抜け漏れがあっても、一切誰も気づくことなく当日を迎えてしまいます。
結婚式の相談と管理を、すべてたった1人で行うシステムは、大体どこの結婚式場も同じです。
ですから、結婚式がうまくいくかどうかは、すべて担当のウェディングプランナーにかかっていると言っても間違いではありません。
リピーターがいないウェディング業界
3つ目の原因ですが、これはこのウェディング業界ならではの理由です。
それは、普段のお買い物と違って、リピーターになることがないと言う点。

リピーターにならないと、何が問題なんですか?
簡単に言うと、結婚式が成功しても失敗しても、特に大きな影響はないと言うことです。
例えば、車を購入して故障続きなら、「次は別の会社の車にしよう」と考えますよね?
車を売る側としては、そうなって欲しくないので、アフターフォローを徹底して行い、リピーターになってもらう努力をします。
ですが、結婚式では、例えトラブルが起こって大失敗しても、新郎新婦が支払いを終えたら、その後のお付き合いはありません。
口コミサイトも、結婚式場が広告主ですから、悪い内容は削除してもらうことも裏ではできてしまいます。
このような状況では、改善を重ねてサービスが向上するとは思えませんよね?
ですが、これが今のウェディング業界であり、それは今後も大きく変わることはありません。
結婚式のトラブル相談の9割は契約・キャンセルに関すること
消費者トラブルがあったとき、相談できる窓口として「国民生活センター」があります。
この窓口には、2010〜2014年の間、毎年1,500件ほどの結婚式トラブルの相談が寄せられていて、その中の90%近くは契約やキャンセルに関することでした。
実は、結婚式のキャンセルはなかなか難しいんですが、まず、申し込みのときに支払った契約金は戻ってきません。


契約金は5〜20万円ほどの金額ですが、それが全く返ってこないとなると、かなり悩んでしまいますよね?
さらに、何も打ち合わせをしていなくても、「キャンセルの時には見積もりの20%支払う」などの条件を契約書に入れている会場も。
仮に、もし300万円で契約していれば、キャンセルするときに60万円を払うことになるので、これでは手も足も出ません。
このようなことから、国民生活センターには、毎年多くの結婚式の契約・キャンセルに関する相談がされています。
一生に一度の結婚式でトラブルに合わないための具体的な対策
結婚式でトラブルが起こる根本的な原因を3つご紹介しましたが、いかがでしたか?


正直、結婚式を挙げるのが怖くなってきました…
「自分たちも悲しい経験をすることになるかも…」と考えると、なかなか前に進むことができませんよね?
ということで、ここからは、結婚式でトラブルに合わないための対策方法をご紹介していきます。
たったこれだけを押さえておくだけで、多くのトラブルに合わずに済みますから、必ずチェックしておいてください。
結婚式場の決定を焦らない
1つ目の対策は、会場見学での勢いに乗って、式場の申し込みをしないということです。


これは、たくさんのカップルがよくやりがちなことですから、絶対に守ってください。
新郎新婦の2人は、結婚式においてまったくの素人です。
それなのに、たった1日、しかも数時間だけで数百万円の申し込みをするのは、ただの危険行為だと思いませんか?
特に見積もりは、見るのも初めてですから、入念なチェックが必要です。
それに何も知らないわけですから、3、4会場回らないと、それぞれの特徴やメリットが見えてくるはずがありません。
結婚式場の申し込みは、必ず複数の会場を見学して、絶対に一度自宅で考える時間をとってください。
ウェディングプランナーからどんな誘いを受けようとも、絶対にそれだけは守りましょう。
ウェディングプランナーの言葉を鵜呑みにしない
2つ目の対策は、担当のウェディングプランナーが言うことを、すべて信じないということです。
少しでも違和感を感じたら、その違和感は大体悪い方向に当たっています。
例えば、会場見学の時に、プランナーはこのような話をします。
「ドレスは提携している衣装店が多いので、絶対にピッタリのものが見つかりますよ!」
こう言われたら、衣装については問題ないように思いますが、こんな時は注意してください。


自信があるなら言葉だけではなく、積極的に色々と見せるものですが、自信がないからこそ言葉だけで濁している場合があります。
ですから、言われた言葉だけで信じるのではなく、パンフレットや衣装ルームをチェックして、できる限り自分の目で見ることを心がけると良いです。
100%すべてを疑う必要はありませんが、少しでも不自然さを感じたら、気をつけるようにしましょう。
第三者の意見は必ず聞く
3つ目の対策は、ウェディングプランナーの話だけで済ませるのではなく、会場と関わりのない第三者の意見を聞くこと。


これは、結婚式を挙げた先輩カップルではなく、過去にウェディング業界で働いた経験のある方が良いです。
特に、元ウェディングプランナーの方の意見は重要で、同じプランナーだからこそ、相手が隠していることも手に取るようにわかります。
見積もりの内容や打ち合わせの進行状況は、何度も経験しなくてはわからないことばかりですから、経験者に聞くのが一番なのです。
さて、結婚式のトラブルに合わないための対策を紹介しましたが、いかがでしたか?
できればこの3つの対策は、すべて取り入れて欲しいと思っています。
トラブルは、あなたが知らない間に迫ってきていることが非常に多いです。
たった一度の結婚式ですから、大事に大切に育てて、思い出深い結婚式にしていきましょう。
まとめ
今回は、結婚式のトラブルの内容と原因、その対策についてお話ししました。
プランナーに乗せられるまま、会場の申し込みや打ち合わせを進めていくと危険だと言うことがお分かりいただけましたか?
「あそこでこうしておけば…」と、後々後悔するのが一番最悪です。
お話しした対策はしっかりと行なって、結婚式を最高のイベントにしていきましょう。